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重文 伝・阿弥陀如来坐像 修復を終えてご帰還

講堂には平安時代~鎌倉時代のさまざまな仏像がお祀りされています。
中央には主尊の阿弥陀如来さまが堂々とお座りになられていますが、その脇には同じく阿弥陀如来さまと呼ばれる仏像がもう一体お祀りされています。
この像はもともとはお釈迦さまとして制作されたということが像容と記録からわかりますが、いつの間にか「阿弥陀さま」と呼ばれるようになり現在に至ります。
當麻寺ではある時期においていかに阿弥陀信仰が強かったのかを物語っているといえます。
この伝・阿弥陀如来坐像は平安時代後期の木像で重要文化財に指定されておりますが、箔の剥落などの傷みがおおきくなってきたため令和3年より美術院において修理が行われておりました。
一年近く講堂をお留守にされておりましたが、このたび講堂に戻って来られました。
実はこの阿弥陀像は、いつの時代からか左手が失われたままの状態でした。手のないお姿を痛々しく拝しておりましたので、この機会に左手を復元していただくようにお願いしておりました。
美術院の方々が希望にお応えくださり、このたび左手の復元が実現いたしました。仏さまにも喜んでいただいたのではないかと喜ばしく思っております。 「講堂の諸尊」

曼荼羅菩薩のワイヤーアート

當麻曼荼羅の中に描かれる菩薩さまをモチーフに制作されたワイヤーアート作品が、写佛道場に飾られました。 この作品は、ワイヤーアーティストとしても活躍される升田学氏より丁寧に針金を曲げて一筆書きのように制作されたものです。
モデルの菩薩は、阿弥陀さまの脇侍・勢至菩薩さまの膝元におられ、賢護菩薩とも解されている尊格です。 中之坊写仏道場の當麻曼荼羅の脇に飾られましたので、お写経・写仏に参加される方はぜひご鑑賞ください。
「写仏」 「写経」

令和2年11月 4年に一度の書院特別公開が行われました。

重要文化財に指定されている中之坊書院の、4年に一度の特別公開が行われました。 中之坊書院には、片桐石州作とされる茶室が二席設けられており、そのうち「丸窓席」の円窓から庭園を眺めていただきました。 また、もう一席の「五畳台目席」は通常は非公開ですが、今回の特別公開で拝観することができます。中継表(なかつぎおもて)という貴重な畳もご覧いただきました。 また今回は、現在進行中の、28面の襖絵(重文)再現模写事業の進捗状況を特別見学できるたいへん貴重な機会でした。 「重要文化財 中之坊書院 襖絵再現事業」について ●「御幸の間」ではほぼ完成に近づいている第25号~第28号襖の『舟釣図』を見学いただきました ●「鶴の間」「鷺の間」では、第1号~第4号襖の『老松図』を、4面の本物(江戸時代初期)と、現在模写途中の第2号~4号の3面とを、対比して見学いただきました。 400年前の襖絵を再現しようという歴史的事業に触れる稀有の機会となりました。

2020年も 練供養会式を修しました

中将姫さまの極楽往生に日にちなんで修される「練供養会式」は、新型コロナウィルスによる感染症拡大に伴い、みなさまに見学の自粛をいただくために、山内住職および関係者のみで勤めさせていただきました。 當麻曼荼羅をお祀りする曼荼羅堂の内陣を極楽浄土に見立てるのは例年の通りですが、今年は、娑婆堂ではなく曼荼羅堂の外々陣を娑婆世界に見立て、観音菩薩と勢至菩薩が行道し、来迎の様子を再現しました。

奈良旅手帖2020📖  完売です

奈良ファンの方々にはおなじみの奈良愛あふれる手帳『奈良旅手帖』。 當麻寺中之坊では全8種のうち、3種を取り扱っておりましたが、すべて完売となりました。ありがとうございました。 『奈良旅手帖2020』

安田靫彦「大黒天」 子年のはじめに特別公開されました

霊宝殿では、子年に因み、「大黒天」さまの掛軸が特別公開公開されました。
大黒天は、インドの神マハーカーラが日本の大国主命と習合した財宝神で、大国主がネズミに助けられた逸話からネズミが大国天の使いとされます。
特別公開されるこの掛軸は、袍衣をつけ、腰に拳を按じた、鎌倉時代の立像などに見られる古式の像容で、近代日本画の巨匠・安田靫彦画伯によるもの。“少しを描いて多くを見せ”る“省略の造形家”とも称された安田画伯の、簡潔で清々しい画面です。 新春秘宝展

平成30年10月 新天井画は『蓮上弥勒佛四天王像』!

當麻寺中之坊の写佛道場に新しい天井画が奉納されました! 前田青邨や絹谷幸二など近現代を代表する作家たちが一人一枚ずつ奉納した150枚もの天井画。
今年は新たに、新作『蓮上弥勒佛四天王像』が奉納され、写仏、写経の方に楽しんでいいただいております。
この新作天井画は、葛城市にアトリエを構える洋画家・弓手研平(ゆんでけんぺい)氏によるもので、當麻寺の原点である金堂のみほとけ「弥勒佛」と「四天王」が蓮から生じるさまを天井画に表現されました 絵の具に砂を混ぜて下地を作るなどの弓手氏の独特の技法は「全ては土から生じる」という考えから来ているそうで、この考え方は「阿字(「地・水・火・風・空」のうち「地」)から全てが生じる」という真言密教の考えに通じるものがあり、また、當麻寺金堂の弥勒佛坐像が塑像(土製の像)であり、當麻寺の創建時より同じ場所に座し続けておられることにも重なり、たいへん感慨深いものがあります。 写仏または写経を申し込まれた方はいつでもご鑑賞いただけます。ぜひ、独特の質感をお楽しみくださいませ。

平成30年10月 平成の最後に“新”當麻曼荼羅❓❓❔❕

2019年1月より映画『かぞくわり』(監督・脚本:塩崎祥平)が公開されるのに先立ち、10月17日~21日の「葛城発信アートFAIR2018」の期間中、国宝・當麻寺本堂「曼荼羅堂」におきまして、映画に登場する巨大絵画セットが特別展示されました。 この絵画セットは、映画『かぞくわり』において、中将姫の魂を引き継ぐとされる主人公・香奈(陽月華)が劇中で描きあげる「平成“新”當麻曼荼羅」で、国宝・當麻曼荼羅と同じタテヨコ約4mにおよぶ巨大なものです。 陽月華さん演じる香奈はこの大マンダラをどのような思いで描きあげていくのでしょうか。。。
プロの画家・弓手研平による複数の本画を映画用に編集したものですので、絵画作品としても見ごたえのある大作。
映画『かぞくわり』(監督・脚本:塩崎祥平)は、中将姫と大津皇子の魂の交流を描いた小説『死者の書』(折口信夫)を下敷きに、「家族」をテーマにした現代ドラマで、主演の陽月華さんのほか、竹下景子さん、小日向文世さんら豪華なキャストで制作されています。
2019年1月、有楽町スバル座を皮切りに各地で順次公開され、奈良での上映も計画されています。
「葛城アートFAIR」

平成29年2月 『中将姫誓願桜』が中之坊「香藕園」に🌸

天平の昔、中将姫さまがお植えになったと伝わる「中将姫誓願桜」から枝分けされた若木が、當麻寺中之坊に寄贈され、植樹式が行われました。 『中将姫誓願桜』は願成寺(岐阜市)の境内に咲く樹齢約1250年、高さ約8m、幹径約1.5mの大樹で、中将姫さまが美濃国に旅された途次に病にかかられたが観音菩薩に祈願したところたちまちに平癒したことを喜んでお手植えされたといわれています。 中将姫さまがお植えになったのはヤマザクラだったはずですが、不思議にも花弁が30弁ほどもある珍しい花が咲きました。その後、1200年以上、この珍しい花を咲かせ続けていますが、その間一度も種から発芽したことがなく、子孫を残さないまま現代に至りました。同種の桜は願成寺以外には存在しない、世界で唯一の品種であることから、国の天然記念物に指定されています。 この貴重な桜の子孫をなんとかして後世に残すべく、30年前に「中将姫誓願桜保存会」が設立されました。岐阜県農業試験場などで研究が行われ、様々な試行錯誤が繰り返されました。その結果、ついに二世木の誕生に成功。天然記念物「中将姫誓願桜」の子孫が誕生するに至ったのです。 このたび、この貴重な二世の若木を、「願成寺」および「中将姫誓願桜保存会」の皆さまの「中将姫さまのもとへ届けたい」というお申し出により、中将姫さま往生の地である當麻寺の、出家修行の道場である中之坊の境内に植樹することとなりました。若木はすでに3メートル以上に成長し、花をつけるまでに育っています。 平成29年2月5日、當麻寺中之坊に若木が運ばれ、まず「中将姫剃髪堂」にて導き観音さまと中将姫さまの前で法会が営まれたあと、国の史跡・名勝である中之坊庭園「香藕園」の中に植樹されました。
これまで大切にお世話をしてこられた「中将姫誓願桜保存会」の皆さまが、思いを込めながら一人一掬いずつ土をかけていきました。桜も、観音さまも、中将姫さまも、きっとお喜びのことと思います。

仏前結婚式を行いました。

當麻寺中之坊では、導き観音さまの御宝前で、仏前結婚式を行うことができます。 新しい生活をはじめるにあたり、何に誓うのか、誰に誓うのか、というのは重要な意味を持つと思います。“足もとを照らし、行くべき道を示す”といわれる“導き観音さま”の前で挙げる結婚式は、きっと深く心に残るものだと思います。
末永くお幸せであっていただきたいと祈念いたします。合掌
仏前結婚式

摩利支天像(室町時代)修復完了

中之坊霊宝殿の摩利支天像(室町時代の修復作業作業が完了しました。 ‏手のひらサイズの小さい像ながら、勇猛で精悍な姿で彫られている名像で、霊宝殿にて拝観できます。

中将姫さまの写仏用紙 完成いたしました

中将姫さまの新作写仏用紙が完成いたしました。
中之坊が所蔵しております中将姫さまの最古の肖像画をもとに、久保田聖美先生によって下絵が制作され、8月に完成いたしました。以来、ご希望の皆さまには、その下絵のコピーの上に薄美濃紙を敷いて描き写していただいておりました。
この、下絵に薄紙を敷いて描き写す方法は、途中で薄紙がずれてしまったり、手本の細かい部分がうまく透けなかったりという理由で、みほとけに集中できなくなる心配があるため、当坊の写仏においては、あらかじめ下絵が薄く印刷された用紙を直接なぞる方法を採用しております。今回の中将姫さまの写仏も下絵ができ次第その準備をしておりましたが、印刷が完了するまでの間はやむを得ず薄紙を敷いて描き写す方法で辛抱していただいておりました。
今回、ようやく印刷作業が終わり、ほかの導き観音さまや當麻曼荼羅の諸尊同様に直接なぞることができるようになりましたので、集中してみほとけと向き合うことができるようになると思います。
ぜひ、体験してみてくださいませ。
写仏体験

中将姫さまの新作写仏 下絵完成!

當麻寺中之坊の写仏は、中将姫さまの千部写経の故事に基づいて行われています。當麻曼荼羅の仏さまを中心に、5種類の写仏手本を制作し、皆さまに写仏していただいてまいりましたが、今回、当坊の写仏の原点である「中将姫さま」のお姿を描いていただこうと写仏手本の制作をすすめてまいりました。そしてこのたび、その新作写仏手本がいよいよ完成いたしました! 今回の新作手本は、中之坊に伝わる掛軸『中将姫画像(鎌倉時代・奈良県有形文化財)』をもとに、仏画家・久保田聖美先生が制作されました。 初心者でもなぞりやすいように配慮しながら、掛軸の肖像画がもつ崇高な気品を見事に再現されています。素晴らしい写仏手本が完成しております。 今回の新作で、中之坊の写仏は6種のお手本から選択していただくことができるようになります。いずれも、「みほとけと向かい合い、自分自身と向き合う」ことができるように配慮して制作された良質の写仏手本です。
当坊での写仏は毎日行えます。どうぞお気軽にご参加くださいませ。
写仏体験

国宝仏・弥勒さまの写仏用紙も完成!

導き観音さまの写仏用紙に引き続き、弥勒さまの写仏用紙もいよいよ完成いたしました。
金堂にお祀りされる當麻寺の根本本尊、国宝・弥勒仏坐像をもとに、種智院大学・中村幸真教授が描き起こされたものです。
仏像は本来、僧侶や参拝者がどの位置から礼拝するかを仏師が想定した上で制作されており、たいてい少し低い位置から仰ぎ見るようになっております。それによって“みほとけ”という“大いなる存在”を感じられるようになっているわけです。
今回の写仏用紙も同じように、真正面から少しほとけさまを見上げる角度で描かれており、“大いなる存在”を仰ぎながら、“みほとけ”と向き合い、自分自身と向き合っていただけるように、との想いが込められております。
仏像写真を安易に絵画化しただけの仏像画では達し得ない何かを感じていただければ有り難いです。
お申し込み、料金等はこれまでの写仏と同様です。「写仏」ページをご参照くださいませ。 「写仏体験」

導き観音さま写仏用紙完成!

仏画家・久保田聖美先生による導き観音さまの写仏用紙が完成いたしました。
通常の写仏体験にてこの用紙を選択していただくことができますので、ぜひとも描いていただき、導き観音さまとご縁を結んで下さいませ。
お申し込み、料金等はこれまでの写仏と同様です。「写仏」ページをご参照くださいませ。 「写仏体験」 「導き観音さま」

6月16日は中将姫髪供養会。

6月16日は中将姫さまのご祈願日。中之坊ではそれにちなんだ「髪供養会」が厳修されます。 天平宝字7年6月15日、中将姫さまは剃髪して尼僧となり、翌日16日、その髪を糸にして阿弥陀や観音さまの梵字を刺繍し、「仏さまの御姿を表せ給え」と願われました。この発願に仏さまがお応えになって表されたのが「當麻曼荼羅」です。
「髪供養会」は當麻曼荼羅織成のきっかけとなったこの故事に因む大切な行事であります。
法会に先立ち、参拝のみなさまにはまず、中将姫さまの刺繍の前で毛髪を少し切っていただきます。そして、中将姫さまのご本尊・導き観音さまの前で、声明や法楽太鼓、尺八などによる荘厳な法会が勤められます。
そののち、髪塚に移動し、法会前に切った毛髪を塚に納めます。参列者が手ずから毛髪をお供えする珍しい祈願会です。
ご参拝に来られないご家族の分の毛髪をご持参される場合は、1/4の大きさの半紙に包んでおいて下さい。髪はほんの数本で結構です。大量に持ち込まないでくださいね(^_^;)
イベント情報

練供養会式

中将姫さまの極楽往生の様子を再現する「練供養会式」が行われました。
会式の進行はまず、極楽浄土におられる中将姫さまがいったん現世に戻っていただくために、曼荼羅堂から娑婆堂へ中将姫像が移されます。その後、導師と僧侶が道中を清めながら、中之坊から曼荼羅堂へ上ります。僧侶が極楽の聖衆として花筵場(かえんば)に着座しましたら、いよいよ二十五菩薩が中将姫さまをお迎えに、極楽(曼荼羅堂)から現世(娑婆堂)へ次々と来迎されます。
最後に歩かれる観音さまが娑婆堂に到達されますと、その両手にお持ちの蓮台に中将姫さまを乗せ、今度は観音さまを先頭に二十五菩薩が列をなし、極楽浄土へ帰っていかれるのです。
そのころ、二上山に向こうに夕日の沈む頃となります。まさに、中将姫さまがこの身のまま極楽に迎えられたという「現身往生」を再現する行事です。
(雨天の場合は、来迎橋ではなく、曼荼羅堂の周囲を行道します。)  
中将姫ご縁日「聖衆来迎練供養会式」

練供養会式の「極」散華☆

4月14日は中将姫さまが極楽往生された日で16時より「練供養会式」が行われます。
そのはじまりでは、仏菩薩の来迎にあたって道中を清めるために散華(さんげ)が撒かれます。この撒かれた散華を手に入れるのはなかなか難しいですが、その中でも数枚だけしかないさらにレアな「極(きわみ)」散華は、極楽浄土のほとけさまの象徴としてたいへん喜ばれています。それを拾って手に入れるのは至難の業ですが。。。
中之坊受付では「極」「太」「和」の3枚組で頒布されています。心身健全のお守りとしてお飾りください。

尺八献奏と音出し体験♪

毎月16日に行われている「導き観音祈願会」では、尺八奏者の上野航さんが参拝し、尺八演奏をされることがあります。 仏堂では本来、安易な音楽は戒められていますが、尺八はその精神性の高さから“楽器”というより“法器”として受け継がれてきました。中之坊では、導き観音さまに美しい“音”をお供えするという意味で、あえて僧侶の読経や声明にあわせて音楽を献奏する試みを続けています。 上野航さんは尺八、ギター、ベースなどで活躍するミュージシャンで、特に古式な結婚式に花を添える尺八演奏に定評があります。単なる娯楽の音楽ではなく、伝統的な精神を理解した、格調の高い演奏を奉納してくださるものと期待しています。 また、法会終了後には、上野さんの指導による尺八の「音出し体験」の時間もございます。
ぜひ、チャレンジしてみてください♪
導き観音祈願会

導き観音さまの写仏体験

仏画家・久保田聖美先生が、導き観音さまの写仏用紙を制作されました。 6月14日には、この写仏用紙の完成を記念して、JAFのイベントにより「導き観音さま特別拝観と写仏体験」が行われました。
現在は、皆さまに通常の写仏体験で写仏して頂けます。

国宝・弥勒仏さまの仏画会が開催されました。

當麻寺の根本本尊さまである金堂の弥勒仏さまの仏画会が開催されました。 仏画の第一人者であります中村幸真先生(種智院大学教授)が仏画手本を制作され、貴重なご講演もいただきました。 今回、中村先生に描いていただいた仏画は、当坊の写仏用紙として制作され、今後、写仏として体験していただけますので、どうぞご参加くださいませ。

御愛太子さま 特別公開されました 

中之坊太子殿に祀られる聖徳太子7才像が3/1-3/30の間、霊宝館に移され、寺内ではじめての一般公開が行われました。上半身裸形、下半身に短い裙(くん)を点ける童形の聖徳太子像で、衣装を着して安置されている「裸形着装像」。大きめの頭部、ふっくらとした肉付きなどでこどもらしい体躯を表現しながら、面相は目尻をつり上げ口許を固く結び、聖徳太子の理知的な厳しさを表しています。
聖徳太子7才の「経論被見」の姿をあらわし、「御愛太子(おんあいたいし)」と呼ばれ、大切に衣裳を着されて受け継がれてきました。

折口信夫博士没60年。記念展を行いました。

国文学者、民俗学者で歌人・釈迢空としても知られる折口信夫博士が亡くなられて平成25年で60年となりました。
當麻寺は折口博士が愛された寺として知られ、中之坊に長く滞在されて代表作『死者の書』の案を練られました。
中之坊では没後60年を記念して、霊宝館にて10月1日~11月30日の期間、折口信夫博士歿後60年記念展として「―釈迢空と『死者の書』―」と題した展示を開催しました。 イベント情報

“やわらぎ地蔵さま”をお迎え

“やわらぎ地蔵さま”というお地蔵さまをお祀りすることになりました。
大阪のとある地区で大切に守られていたお地蔵さまだそうです。いろいろな事情でお世話できなくなったそうですが、「やわらぎ地蔵」という呼び名に、親しまれてきたお地蔵さまだということが想像できます。
縁あって中之坊に来られたので、大切にお祀りしたいと思います。
当坊では、水子地蔵さまをはじめ何体かのお地蔵さまが、中将姫剃髪堂の裏手の神域にお祀りされています。この神域には、鎮守さまや竜神さまが祀られているのですが、お寺は神さまから土地を譲り受けて建立されますので、鎮守さまの領域はその土地の力を象徴する場所でもあります。
この場所に、大地の慈悲心を蔵するほとけさまであるお地蔵さまが祀られるのも当然のことといえるでしょう。 水子地蔵さま
やわらぎ地蔵さまもいずれこの神域でお祀りさせていただこうと考えていますが、よだれかけがあまりにきれいなので、屋外に祀って汚したくないので(笑)、しばらくは中将姫さま剃髪堂の堂内にお祀り致します。
お堂の中に入れる16日の午後にお参り頂き、手を合わせて頂ければと思います。

「導き観音さま」と「あゆみ観音さま」

奈良国立博物館での特別展「當麻寺」では、中之坊のご本尊・導き観音さまの御像も特別展に出陳されました。
「眼前に拝すれば心身が美しくなる」といわれる名像を、広く皆さまに目の当たりにしていただくことは有り難いことと思って博物館に送り出したのですが、いざ行ってしまわれると、それはそれは寂しいもので、心にポッカリと穴が空いたような気持ちが続いたのでした(T_T)。
その奈良国立博物館の特別展が終わり、いよいよ導き観音さまが當麻寺中之坊「中将姫剃髪堂」にお帰りになられました。
そして16日のご縁日には、お帰りになった「導き観音さま」のご宝前で祈願会「髪供養会」を勤めることができました。
同時に今年は、東日本大震災復興を応援するため陸前高田の松材で観音像を彫り被災地にお届けする「あゆみ観音プロジェクト」をすすめており、16日の「髪供養会」では、その観音像の「鑿入れ式」を開催させていただきました。当坊では2度目の開催となります。
「あゆみ観音」という御名は、震災からの復興に“あゆみ”を進める、という願いをこめて名付けられましたが、このイメージは、中将姫さまが導き観音さまに御手を引かれて當麻寺にたどり着いたという故事になぞらえたものです。
こうして導き観音さまに導かれてご誕生のあゆみをはじめられた「あゆみ観音さま」は、その後、飛鳥寺、室生寺、久米寺など10か寺以上を巡ってさまざまな方とご縁を結びながら、この16日にふたたび「導き観音さま」のもとへ帰ってこられました。およそ3ヶ月ぶりのご対面です。
翌17日からはまた東大寺、長谷寺、大安寺と多くのお寺に結縁の旅に出られた「あゆみ観音さま」。3ヶ月ぶりの「導き観音さま」との再会はほんの短い時間となってしまいましたが、たくさんの場所をめぐり、たくさんの方の想いをいただいてご誕生される観音さまこそ、きっと多くの方の助けとなり拠り所となってくださることと信じております。 詳細は→「 あゆみ観音プロジェクト」で。

新しい天井画がまた一枚☆

霊宝館の「秋の寺宝展」では、寺宝・釈迦十六善神(鎌倉時代)や十王図屏風(六曲一双・南北朝時代)など、ふだん公開されない宝物(ほうもつ)が特別公開されましたが、それらの古い寺宝類にまじって、今回、鮮やかな絵画が1点展示されました。 壮麗な絵天井で知られる「写佛道場」に新たに奉納された天井画で、日本芸術院会員・絹谷幸二画伯の筆による作品『蓮華』です。
アフレスコ画の第一人者で、日本を代表する芸術家である絹谷画伯特有の感性で、みほとけを象徴する蓮の花に太陽と月を配しておられます。
当初は、この秋より写佛道場の天井に掲げられることが検討されていましたが、現在進行中の天井画修復作業において、予想以上に重度に傷んでいる天井画が30点以上あり、作業がかなり難航しております。そのため、この秋には全ての天井画が揃わないため、新天井画『蓮華』を天井に嵌めるのは先送りとし、そのかわり、霊宝館で先行公開することになりました。
むしろ、天井に上がってしまうと近くでは見られない作品を、間近で鑑賞いただきました。 天井画修復事業

「笑い仏」さま ご逗留に

東北の震災を機に、鳥取の工房を旅立たれ、福島を目指して遊行されている「笑い仏」さまが、このたびご縁あって、當麻にお立ち寄りになりました。
4年に一度の特別公開が行われている中之坊書院の一室で、10/2~11/20の期間お祀りさせて頂きました。
無事に福島までたどり着かれますことを祈念しております。 http://www.monk-forum.org/

よしもと「寺院ライブツアー」

吉本興業100周年を記念して、よしもと芸人さんが古寺に出向く「寺院ライブツアー」。その第2弾が當麻寺中之坊で行われました。
桂あやめさんの落語をはじめ、ラフ次元らの漫才、当坊からは實昭院主と泉川獅道奏師が出演し声明と尺八演奏を披露。多くの皆様にお楽しみいただきました。

當麻寺の牡丹

有名な當麻寺のボタンは、中之坊をはじめ、数カ所の僧坊で拝観できます。
牡丹の見頃は例年ゴールデンウィーク頃で、中之坊のボタン園では他にも春の花々で華やかな季節となります。
花などの中之坊の情報はフェイスブック(http://www.facebook.com/taimadera)でもupされています。 どうぞご覧くださいませ。

14年目の全面改装。

平成23年、14年目にして、ホームページがリニューアルすることになりました。
いつまでも古くさいままのページを愛してくださった物好きなファンも中にはいらっしゃったかもしれませんが(^_^;)。
思えば、お寺のホームページなどまだほとんどなかった平成10年、他に先駆けて思い切って公開したのでしたが、あのころはお寺がホームページを持ったというだけで新聞記事になる時代でした。あれ以来、ずっと手作りでいじり続けて参りましたのは、業者に頼らず少しでも経費を削減して境内建物の維持費を捻出するためでしたが、スタイルシートの時代になり、どうしても素人では太刀打ちできないようになってきてしまいました。そんな折、仏像写真の老舗「飛鳥園」さまが救いの手をさしのべてくださったのです(^_^) こうして生まれ変わったのがこのサイト。
それにしても急におしゃれになりましたね。明るく道を照らす「導き観音さま」にふさわしいサイトになったのではないかと思います。
これからもマメに更新していきますので、ときどき顧みてくださいますようよろしくお願いします!