
當麻寺の中之坊は、飛鳥時代に役行者さまが「陀羅尼助(だらにすけ)」を創製した和薬発祥の寺で、奈良時代には中将姫さまがこの寺で薬草の知識を学びました。
尼僧となった中将姫さまは、ある時、かつてお世話になった宇陀・ひばり山を訪れたところ、ご婦人が体の不調に悩んでいたので、その症状に合う薬草を教示したといいます。その薬草の処方が、代々、宇陀の藤村家に伝わっていました。
これが「中将湯」です。
明治26年(1893)、母の実家が藤村家であった津村重舎は「中将湯」を製品化し、東京日本橋に「中将湯本舗津村順天堂」を創業しました。現在の株式会社ツムラです。
當麻寺中之坊では、中将姫さまゆかりの薬「中将湯」を、毎月16日の「導き観音祈願会」にて十一面観音および中将姫さまにお供えし、身体健全を祈願したのち、皆さまにお分けしています。
また、「中将湯」を製剤する際の薬草のあまりをお風呂に入れたところ体がとても温まったことから「“くすり湯”中将湯」が誕生しました。
この「“くすり湯”中将湯」が人気を博し、バスクリンほかさまざまな家庭用入浴剤が次々と誕生していくことになりました。
「くすり湯バスハーブ」は、「くすり湯中将湯」より研究・改良が重ねられて誕生した生薬の入浴液で、自然の香りと薬効が広がり、大変温まると好評をいただいています。