奈良時代、中将姫さまを常に守護し導いたのが「導き観音さま」と呼ばれる十一面観音さまで、中将姫さまの守り本尊として信仰されております。
<安産・子授けの祈祷所>
中将姫さまが婦人病に悩まされたとき観音さまに祈願したところたちまちに平癒しました。感激した中将姫さまは、後世の女性たちも、婦人病のほか、難産、産前産後の障害など女性特有の苦しみが少しでも軽減するようにと祈願をされました。以来、導き観音さまは「女人の守り本尊」として信仰をあつめています。
中之坊は弘法大師さまが授法された真言密教の道場ですので、導き観音さまの御宝前でご祈祷を受けることができます。
安産祈願について
●ご祈祷は「中之坊(なかのぼう)」にて行われます。必ず「中之坊」にご来寺ください。
●ご希望の方はあらかじめご連絡いただき、日時をご予約下さい。0745-48-2001(9:00-17:00)
(予約なしでもお請けしておりますが、お待ちいただく場合があります)
●蓮の安産御守とご祈祷札を授与いたします。
●腹帯はご自身でご用意いただいたものをご持参いただいて結構です。コルセットタイプなどどのようなタイプでも構いません。お持ち込みの数量に決まりはありませんが、ご祈祷のお供え台に載せられるのが2~3点までですので、それ以上お持ち込みいただいても対応できません。
当坊でご用意できるものは5mの晒布です。御朱印を押してご加持の上お授けいたします。晒タイプの腹帯は、お母さんのおなかの成長に合わせて自在に調整ができ、また出産後もお母さんの骨盤引き締めや赤ちゃんのおむつに転用することもできますので重宝されるでしょう。
●安産のご祈祷は中将姫剃髪堂で勤めさせていただきますが、事情により護摩堂にてお勤めさせていただくこともございますのであらかじめご了承ください。
●ご同席の方はできるだけ少人数でお願いします。
ご送金によるご祈祷をさせていただいておりますので、ご来寺になれない方はそちらをご利用ください。
> 「郵送によるご祈祷について」
中将姫さまと中将湯
當麻寺中之坊は、飛鳥時代に役行者さまが陀羅尼助という胃腸薬を創製した場所で、わが国の薬学の発祥の地とされています。奈良時代には、中将姫さまもこの寺で薬草の知識を学びました。
ある時、姫さまがかつてお世話になったひばり山(奈良県宇陀市)を訪れたところ、婦人病に苦しむ女性があったので、観音さまに祈願し、さらに婦人病に効く薬を与えたといいます。その薬の処方が代々宇陀の地に伝わり、明治26年、宇陀の津村重舎が製品化して東京日本橋で販売したのが「中将湯」でした。
産前産後の障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、血の道症、更年期障害、不安神経症など、特に女性に寄り添った生薬として、125年を越す㈱ツムラのロングセラーとなっております。
當麻寺中之坊でも導き観音さまにご祈祷した上で中将湯をお分けしています。
> 「中将湯」
「初参り」など誕生後の祝祷
お子様がお生まれになりましたら、生後約一か月で「初参り」を行います。
近世以降、「お宮参り」として氏神にお参りする風習がひろまるようになりましたが、本来は、安産祈願を受けたほとけさまにお参りする「お礼参り」の儀式です。導き観音さまにお参りして、「一代のお守り本尊」としてお守りいただけるようにお祈りしましょう。
「お宮参り」と違い、お寺では「血の穢れ」という考え方はありませんので、お母さまが抱っこしてお参りすることができます。
その他、祝祷には七五三や十三参りなどの風習がありますが、進学・進級などの節目の際にご本尊様にご加護を願う祝祷をお受けになるのがよいでしょう。
子授け祈願
導き観音さまは女人救済のご本尊として知られており、安産祈願だけでなく、子授けの功徳もよく知られています。
また、中之坊には導き観音さまとともに、七福神の布袋尊(ほていそん)さまもお祀りされております。布袋さまは「子宝・円満」の福宝をお持ちです。子授け祈願の場合には、導き観音さまに祈願した後、布袋さまのお腹に触れてお祈りいたしましょう。