
●良薬は口に苦し
「陀羅尼助」の名前の由来には異説があります。僧侶が「朝のお勤め」などで仏さまに陀羅尼を唱える際、どうしても眠くなるときがあります。そんな時、陀羅尼助の一片を口に含むのです。陀羅尼助は非常に苦く、たちまち目が覚めるというわけです。
この話は俗説に過ぎませんが、確かに効果がありそうです。ちなみに木魚を叩くのも、もとは眠気を紛らす為だといわれていますが、これとくらべると、陀羅尼助の方が遙かに効きそうですね。
●ダラニスケとダラスケ
ところで、陀羅尼助は一般に「ダラスケさん」の略称で親しまれていますが、これに関しても面白い記録があります。
江戸時代、吉野大峯と当麻中之坊が双方陀羅尼助の本家を主張して譲らず、やむなく裁判沙汰にまでなったといいます。両者とも役行者直伝の二大本家であるのだから、決着のつくはずもありませんでした。その時、名判官の大岡越前守は孔雀明王陀羅尼経の功徳による信仰と済世利人の本旨をとって、中之坊のを「陀羅尼助」、大峯のを「陀羅助」とするという裁きをつけたというお話です。
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