まんだら写仏"

当麻曼陀羅(たいま・まんだら)

当麻曼陀羅 写仏
当麻曼陀羅 絵解き


●当麻曼陀羅
 当麻曼陀羅(たいままんだら)は当麻寺の本尊です。
「根本曼陀羅」と呼ばれる天平時代の原本(国宝)は早くから損傷が激しかったようで、古くから多くの写本が作られました。第一回として建保年間(鎌倉時代)に転写されたと記録されるものは残念ながら遺っておらず、現存する第二回転写の文亀本(室町時代)・第3回転写の貞享本(江戸時代)のいずれかが本堂に祀られています。しかし、幸いにも縮小本ながら鎌倉時代の模写本が中之坊霊宝館に収蔵されており、拝観の機会があります。

当麻曼陀羅 平成写本

●壮麗な浄土の輝き
 中将姫さまは天平の昔、数々の艱難辛苦に遭いながらも、ほとけの浄土を想い続け、ひたすら読経や写経を続けました。特に「称讃浄土経」は1000巻書写されたといわれており、そのうち1巻が中之坊霊宝館に収蔵されています。
 そうして「称讃浄土経」あるいは「観無量寿経」といった経典を読誦・書写しているうちに、中将姫さまは二上山の峯の間に、金色に輝く阿弥陀さまのお姿、壮麗な極楽浄土の光景を観たのでした。その輝きに救われた姫は、その光景を人々に伝えたいと念じ続け、その想いによってこの当麻曼陀羅を表されました。

縦・横約四メートル四方の大画幅に、阿弥陀(あみだ)、観音(かんのん)、勢至(せいし)ら三十七尊や楼閣、宝池などの極楽のありさまが壮麗に描き出されています。まばゆいばかりの光景です。

そして下辺には、臨終の際、阿弥陀さまが浄土へ迎えて下さる様子も描かれています。「亡くなってからの極楽往生」です。鎌倉時代以降の浄土教の流布によってひとびとはこのような往生の信仰は高まっていきました。

しかし、この曼陀羅の両端に描かれている内容は「亡くなってからの極楽往生」とはちょっと違います。

●ほんとうの「念仏」
まず、左辺には、インドの王妃イダイケがお釈迦さまによって極楽浄土を目の当たりにし、それによって救われた話が示されています。つまり、亡くなって極楽浄土へ迎えられたのではなく、この身のままで浄土を観じることによって、生きたままで浄土の喜び、安らぎ、を得ることができ、救われたという話が説かれているのです。

「生きたままで浄土の輝きに救われる」とはどういうことでしょうか。それを実際に体験するために、曼陀羅の右辺には「観無量寿経」に説かれている「浄土を観じる瞑想法」が記されています。心を鎮めて一心に浄土を思い浮かべることにより、生きたまま浄土に遊ぶ心地を体感する瞑想法です。ほとけさまを思い描くことにより、ほとけさまが常に見守って下さるという喜び、ほとけさまを身近に感じる安らぎを得ることができるでしょう。これこそがほんとうの「念仏(ほとけを念じる)」ということです。

 ただし、「瞑想」というと「難しい修行」「お坊さんがするもの」と思われるかもしれず、また実際やってみてもなかなか心が安定しにくい方もあり、初心者にはとりつきにくいかもしれません。そういう方には、中将姫さまがそうされたように「写経」によって体験する方法があります。さらに具体的に仏さまのお姿を描く「写仏」も有効な方法の一つです。当山ではこの「写仏」をお勧めしています。↓

●お大師さまの現世浄土
弘法大師さまは、「密厳浄土(みつごんじょうど)」ということを説かれました。ひとりひとりが仏を念じ、自らが菩薩である自覚をすることによって、この世がそのまま浄土になる、「現世浄土」の教えです。
 当麻曼陀羅を想い、浄土に集う仏さまを念じ、自分自身もこのような仏さま菩薩さまのように生きようと心がければ、お大師さまの教えのように、この世がそのまま浄土に感じることができるかもしれません。

浄土は遠くにあるものではなく、ほとけさまは心の中に、お浄土は実は目の前にあるんだと、心に念じ、明るい毎日を送っていきましょう。


写仏・写経

当麻曼陀羅「写仏」と絵天井特別拝観

当麻寺中之坊では、当麻曼陀羅に描かれる極楽浄土の安らぎを体感していただくため、阿弥陀さまや観音様の「写仏」を行っています。

手本は大仏師・渡邊勢山、載方先生による格調高い仏画で、会場は美しい「絵天井の間」。これ以上ない壮麗な環境で「写仏」をしていただけます。

また中将姫さまが「写経」の功徳によって当麻曼陀羅を感得された様に、同じ「絵天井の間」で「写経」もしていただくことができます。

詳しくはそれぞれのページをご覧下さい。

写仏 写経


●当麻曼陀羅「絵解き」と絵天井特別拝観

曼陀羅絵解き

当麻寺には古来より、「当麻曼陀羅」に描かれた内容を解説する「絵解き」が伝わっています。
 この「当麻曼陀羅絵解き」には、極楽浄土の光景を独特の節回しで説く一節があり、「絵解き節法会」とも呼ばれています。作家の五木寛之氏の著書にも何度となく登場するこの「絵解き節」は、現在では中之坊にのみ伝承されており、有名な絵天井の間で拝聴する事ができます。
 絵解きに用いられる「平成当麻曼陀羅」は、前田青邨画伯の高弟・入江正巳(いりえまさみ)画伯が、着想から長年の研究の後、丸10年をかけて描き上げた畢生の大作です。

○開催日時は「最新情報」をご覧下さい。
 既に開催決定している回には1名様よりご参加頂けます。

○「最新情報」に記載の日時以外でも開催のご相談をお受けいたします。
 ・10名程度の人数からお申し込み下さい。
 ・料金は別に規定がありますので、お問い合わせ下さい。
 ・写仏体験と併せてお申し込みされることを強くお勧めいたします。

○客殿の事情などにより開催場所が変更になる場合があります

《ご注意》
當麻寺伝統の「絵解き」には一部に独特の節回しがついており、別名「絵解き節法会」とも呼ばれております。この「節」が伝わっているのは中之坊だけです。他の寺院や会場にて、「絵解き」として曼荼羅の解説が行われる場合がありますが、古来より伝わる当山の伝統の「絵解き」とは異なるものですのでお間違えのないようにご注意ください。中之坊の絵解きは實秀長老または實昭院主によって修されます。


 

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LINK→当麻寺の歴史と文化  LINK→水彩画で旅する“當麻寺中之坊”

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